「ゲーム依存症患者はごく一部!」曖昧すぎるゲーム依存症の診断基準を解説!
記事公開日 2019/05/27
ゲーム依存症の診断基準をチェック!それはただのゲーム好きかも?
「ゲーム障害」(ゲーム依存症)の解釈について、ネット上で混乱が起きています。
「ゲーム好き」と「ゲーム障害」(ゲーム依存症)の違いを理解するために、「ゲーム障害」(ゲーム依存症)の症状・診断基準をチェックしておきましょう!
「ゲーム障害」(ゲーム依存症)が病気として認定
2019年5月25日、世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害」(ゲーム依存症)を国際疾病として正式に認定しました。
2022年に発効されるWHOの国際疾病分類「ICD―11」から、病名が表記されるようになります。
「ゲーム障害」(ゲーム依存症)とは、ゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる病気のこと。
ギャンブル依存症などと同じ精神疾患と位置付けられ、今後は世界規模で治療方法や患者数の把握に努めていくのだそうです。
「ゲーム障害」(ゲーム依存症)の症状・診断基準は?
WHOは「ゲーム障害」(ゲーム依存症)の基準について以下のように定めています。
・ゲームの時間や頻度を自分でコントロールできない
・日常生活の中で他の活動を差し置いてゲームを最優先する
・仕事や学業、健康、家族関係等、生活に支障が出ているのにゲームを続ける
これらの基準が当てはまる状態が12カ月以上続いた場合、「ゲーム障害」(ゲーム依存症)の疑いがあると診断されます。
「ゲーム好き」と「ゲーム依存症患者」の違い
この基準、見方によってはゲームを好む人の大半に当てはまってしまいます。
現に、SNSではこんな声も。
・僕は正直ゲーム依存だけど普通に幸せに暮らしているし、趣味なんだから依存していても一概に否定するべきじゃないと思う。
・ゲーム依存症、バイト終わって帰ってきた自由な時間に好きなだけゲームすることの何が悪いの?
・10年以上ゲーム依存してるけどちゃんと仕事して生きてます。
・こんなの、日本人の9割がゲーム依存症って言えるんじゃない?
上に記したWHOの診断基準がかなり曖昧なものであるため、ネット上ではこのような混乱を招いているんですね。
なお、このような意見を述べることができている方々は、ゲーム依存症予備軍ではあるかもしれませんが、ゲーム依存症患者ではありません。
なぜなら、「ゲームを趣味として捉えることができている」からです。
「いつもゲームをしている人=ゲーム依存症」は間違い!
Studies suggest that gaming disorder affects only a small proportion of people who engage in digital- or video-gaming activities. However, people who partake in gaming should be alert to the amount of time they spend on gaming activities, particularly when it is to the exclusion of other daily activities, as well as to any changes in their physical or psychological health and social functioning that could be attributed to their pattern of gaming behaviour.
(要約)
ゲーム障害を患うのは、デジタルゲームやビデオゲームをプレーする人々のごく一部です。
しかし、ゲームをする人は、プレー時間や、ゲームプレーによる肉体的健康、精神的健康、社会的機能の変化に気をつけるべきでしょう。
出典:https://www.who.int/substance_abuse/activities/gaming_disorders/en/
こちらはWHOのゲーム障害(ゲーム依存症)に関する記述です。
ゲーム依存は日常生活に支障をきたしている状態のことであり、仕事・学校へ行きつつゲームをしている場合は、あくまで趣味・娯楽を楽しんでいるだけであり、ゲーム依存症とは言えません。
(繰り返しますが、ゲーム依存症予備軍である可能性はあります。)
具体的なゲーム依存症の症例としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
・食事よりもゲームを優先し、10キロ以上痩せ、少し外に出るだけで倒れてしまうほどに体力が落ちた。
・トイレや入浴の手間を惜しんでゲームをし、体調不良を起こした。
・学校や仕事を休んで毎日12時間以上ゲームをしたことで昼夜逆転の生活になり、社会生活に戻れなくなった。
・ゲームをやり続ける行為によって憂鬱になる一方、自分の意思ではやめられず、やめようとすると焦りや苛立ちで物に当たってしまう、または周りの人に暴言を吐いてしまう。
・長時間同じ姿勢でゲームをしたことにより、下半身がうっ血する「エコノミークラス症候群」を起こした。(実際に死亡例あり)
このような症状が見られるなら、それはゲーム依存症です。
自分自身はもちろん、友達やお子さまなど、当てはまると感じたら、すぐに病院で受診することをオススメします!
なぜ「ゲーム」だけが依存症として病気に認定されたの?
・ゲーム依存症より今はスマホ依存症の方が多い気がする。
・SNS依存はどうなるの?
・そんなこと言い出したら仕事に依存している人も病気になるでしょ!
SNSではこのような声も多く挙がっています。
WHOによると、スマホやSNSも依存症として問題視はされていますが、今回は「ゲーム」が最も科学的根拠を得られたため、正式に病気として定められたそうです。
依存によって、体調不良やエコノミークラス症候群など、身体的な面に影響が現れやすいためかもしれませんね。
また、「仕事依存も病気になるのでは?」という意見も多く見られました。
しかし、仕事をやめられないのは「外部の圧力によってやめさせてもらえない」ことが原因である場合がほとんどです。
自発的に仕事に依存しているように見えても、それは責任感やプレッシャーから「仕事をしないと・・・」という気持ちになっているだけなのです。(それはそれで問題ですが・・・)
ゲーム依存やその他依存症については「外部環境関係なくやめられない」ものです。
そのため、ゲームを取り上げられたら苛立ちを抑えられなくなってしまったり、食事よりゲームを優先してしまったりという事態が起こってくるのです。
「e スポーツ依存症」?ゲーム依存症とe スポーツの関係
ゲーム依存症が認められたことによって、「e スポーツ」への影響を懸念する声も挙がっています。
対戦型のゲームで勝敗を決める「e スポーツ」は、オリンピックの正式競技になるのではないかと期待されている、新しいスポーツです。
その「e スポーツ」選手になるためには長時間ゲームをプレーする必要があるため、ゲーム依存症を引き起こす原因になるのではないかと心配されているのです。
これは賛否両論で、様々な意見がありますが、その一つに「e スポーツ」はスポーツであるということを前提とした見解がありました。
以下のようなものです。
「e スポーツ」はテニスやサッカーのように、たくさんの観客が集まった会場で、相手と戦う競技です。
団体戦であれば、何度も仲間と顔をあわせて練習し、作戦を練り、プレースキルを磨きます。
大会前は他のスポーツ選手と同じく、睡眠・食事など、身体的なコンディションも調節します。(体調が優れないと頭の回転が悪くなり、全力が出せないため)
e スポーツ選手は、仕事として自分を管理しながらゲームを行っているのです。
つまり、e スポーツ選手はゲーム依存症になりません。
これは上に述べた「ゲーム依存」の症状と当てはめてみても、説得力があるのではないかと思います。
体調管理できないスポーツ選手は当然、オリンピックに出ることができません。
e スポーツ選手も同じで、突然試合を休むような人にスポンサーは付きませんし、プロとしての試合スケジュールにも耐えられないでしょう。
ゲーム依存症と趣味の境界線
いがかだったでしょうか?
「趣味・遊び」と「依存」を見分けるのは難しいものですが、この記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。
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